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【大企業×新規事業の難しさ②】失敗こそ学びの宝庫

個別の失敗からの考察に入る前に、「なぜ失敗例を考えるのか?」について、一度お話したいと思います。
早く本題の話をしろよ、と思われるかもしれませんが、お付き合いください。
実はこれが、新規事業の検討にあたっても、非常に重要な視点だからです。

新規事業開発の難しいポイントの1つに、「成功事例の再現性の低さ」があります。
端的に言うと、他社で成功した事例をそのままそっくりトレースしてビジネスをつくったとしても、同じように成功するとは限らない、ということです(※)。
新しい事業を作り上げることは、そもそも難しいものです。
更に、事業環境その他の条件により取るべき戦略や方針も千差万別、「絶対にやっておくべきこと」はありますが、「これさえやっておけば絶対成功する」という魔法のような解はありません。
だからこそ、試行錯誤を繰り返しながら、成功するまで粘り強く取り組むことが大事になるのです。

ただし、「これをやったら失敗する」というパターンはいろいろあります。

例えば、海外向けの新規サービスの構築を日本メンバーのディスカッション+現地出身者のヒアリングだけで実施していて、実は現地の顧客の行動パターンを調査していなかった、という例。
本当にお金を払う顧客が、どのようにサービスにアクセスするのかを知らないままベータ版をローンチしたものの、顧客からの不評が噴出。弊社メンバーもテコ入れに入ることとなりました。

こうした、どうやっても失敗する例、をたくさん知っておくことは重要です。
その分だけ、失敗する回数を減らして、成功への道を歩むことができるからです。

アイザック・ニュートンは、自筆の書簡の中でこう書いています。
「私が彼方を見渡せたのだとしたら、それは巨人の肩の上に乗っていたからです。」
巨人の肩、とは、過去の人類が紡いできた叡智のこと。
我々も、過去のたくさんの学び事例の上に立って、少しでも成功する未来を見ていこうではありませんか。

※もちろん成功事例から学ぶことは沢山あります。
きちんと成功要因を分析したり、自分がやろうとしているビジネスと類推したりしながら、その学びを新規事業の検討に反映することは大変に意義のあることです。